腰痛に良いマットレスの選び方とおすすめ商品

ベッド・マットレスのこと

公開日：2025.06.01（Sun）

選び方ガイド

腰痛に悩む方に向けて、腰痛を軽減するマットレスの選び方とおすすめ商品を分かりやすく解説します。「今使っているマットレスが腰痛の原因かも」と感じている方へ、適切な硬さ・素材のポイントや体圧分散に優れた信頼できるマットレスをご紹介します。

腰痛とマットレスの関係

人は人生の約3分の1を睡眠に費やします。そのため、寝ている姿勢やマットレスの状態は腰への負担に大きく影響します。

適切なマットレスがないと、腰椎の自然なS字カーブが崩れ、腰に負担がかかります。硬すぎるマットレスでは腰のくびれ部分が浮いてしまい、柔らかすぎるとお尻が沈みすぎて背骨のラインが崩れてしまいます。どちらも腰に負担をかける原因になります。

また、長年使ってへたったマットレスも腰痛の原因になります。一般的にマットレスの寿命は7〜10年とされていますので、明らかに劣化しているマットレスは買い替えを検討しましょう。

腰痛の約80%は「非特異的腰痛」と呼ばれ、レントゲンなどでは原因がはっきりしません。このような腰痛には日常の姿勢や寝具などの生活習慣が関係していると考えられています。寝ている間に腰周りの筋肉や靭帯をしっかり休ませるには、体に合ったマットレスで正しい姿勢を保つことが大切です。

腰痛持ちに適したマットレスとは？

腰痛持ちの方に最適なマットレスは「硬すぎず柔らかすぎない」ものです。これは医学研究でも証明されています。313名を対象とした研究では、硬いマットレスよりも中くらいの硬さのマットレスの方が慢性腰痛の痛みや日常生活の制限を軽減したという結果が出ています。

また別の研究でも、硬い布団より水ベッドや体にフィットする低反発マットレスの方が腰痛患者に効果的だったと結論づけています。つまり「硬すぎず柔らかすぎない」バランスが科学的にも推奨されているのです。

ただし、「中くらいの硬さ」は人によって感じ方が違います。自分にとって無理なく快適に感じられる硬さが「ちょうど良い硬さ」です。大切なのは、自分の体格や姿勢に合ったサポート力を持ち、横になったときに心地よく自然な姿勢になれるマットレスを選ぶことです。

腰痛に良いマットレスの選び方

腰痛に悩む方がマットレスを選ぶ際に重視したいポイントをご紹介します。

1. マットレスの硬さ：適度な硬さを選ぶ

マットレスの硬さは腰への負担に直結します。腰痛対策には、体が沈みすぎず、かといって板のように硬すぎない適度な反発力を持つものを選びましょう。

体格と硬さの関係: 体重が重めの方は、ある程度しっかりとした硬めのマットレスの方が沈み込みすぎずに自然な寝姿勢を保ちやすいとされています。逆に体重が軽い方が硬すぎるマットレスを使うと、肩やお尻など出っ張った部分が当たって痛みを感じることもあります。

実際に横になって試す: マットレスの硬さ表示（「やや硬め」「ふつう」など）は各メーカーで基準が異なります。可能であれば店舗で実際に寝転がってみて、仰向け・横向きそれぞれで腰や肩への圧迫感がないか、自然にリラックスできる感触かを確かめるのがおすすめです。理想は立っている時と同じような背骨のS字カーブが保てる硬さです。仰向けで腰の隙間に手がスッと入る程度、横向きで肩が適度に沈む程度が一つの目安です。

2. 体圧分散とサポート力：身体への圧力を均等に支える構造か

「体圧分散性」とは、体重による圧力を身体の接地面全体で均等に受け止める性能のことです。体圧分散性が高いマットレスほど、一部の部位（腰や肩だけなど）に負荷が集中しにくく、血行や神経圧迫の面でも理想的です。

身体のラインにフィットする素材: 低反発ウレタン（メモリーフォーム）素材は、体の凸凹に合わせて変形し、面で身体を支える代表的な素材です。例えばテンピュールのような低反発マットレスは、身体にフィットして体圧を分散サポートし、従来素材よりも身体にかかる圧力を20%軽減するというデータもあります。

点で支える構造: 一方、高反発ウレタンや特殊構造のマットレスでは「点で支える」ことをコンセプトにしたものもあります。例えば西川の「AiR（エアー）」マットレスは多数の凸構造により身体を点で支え、通常の平面構造に比べ腰や肩への負担を軽減する革新的な寝具です。点で支えることで変形しやすい部分もしっかり支え、寝姿勢を正しく保つ狙いがあります。

いずれの場合も大事なのは、寝たときに背骨全体が自然なカーブを描きつつ、腰・背中・お尻に違和感なくフィットするかどうかです。

3. 寝返りの打ちやすさ：適度な反発力で動きやすいこと

人は一晩に20回前後は寝返りを打つと言われています。スムーズな寝返りは血行を維持し、長時間同じ姿勢で筋肉や関節に負担がかかるのを防ぐ重要な動きです。

沈み込みすぎない: 低反発素材はフィット感に優れる一方、体が深く沈み込むタイプだと寝返りを打つ際に抵抗を感じることがあります。柔らかすぎる寝具で寝返りが減ると、一見体への負担が少ないように思えますが、逆に同じ姿勢が続いて筋肉がこわばり痛みが出るケースもあります。ある程度の反発力があって、寝返り時に体を押し戻してくれるようなマットレスが理想です。

高反発マットレス: 高反発マットレス（反発力が強く、押し返す力が大きいタイプ）は寝返りをサポートする代表格です。例えばエアウィーヴのマットレスに使われている特殊樹脂素材「エアファイバー」は、90%以上が空気でできており高反発かつ適度にしなやかな特性を持ちます。この素材は体重に比例した反発力を発揮するため、腰やお尻など重い部分もしっかり支えつつ、寝返りの動きを妨げません。

寝返りのしやすさは実際に寝てみないと分かりづらいですが、「寝返りをほとんど打たずに朝腰が痛くなっている」という方は現在の寝具が沈み込みすぎている可能性があります。

4. 素材・構造の種類：メリット・デメリットを知る

マットレスには大きく分けて以下のような種類があります。それぞれ特性が異なるため、腰痛持ちの方はメリット・デメリットを理解して選ぶとよいでしょう。

ポケットコイルマットレス: 無数の小さなコイルが独立して沈む構造で、体のラインに沿いやすいのが特徴です。腰や肩だけ沈みすぎるのを防ぎつつフィット感もあるため、腰痛の方には一般的にボンネルコイルよりポケットコイルがおすすめとされます。中でもシーリーの「ポスチャーテックコイル」のように、一人ひとりの体圧に応じて各部位の反発力を変化させる先進的なコイルもあります。

低反発ウレタンマットレス: 体温と圧力でゆっくり沈み、体形にフィットする素材です。圧力分散性能が高く、寝心地の柔らかさが魅力です。ただし沈み込みが大きいため通気性が悪くなりやすい点や、夏場に蒸れやすい点には注意が必要です。

高反発ウレタンマットレス: 押し返す力が強いウレタン素材で、寝返りサポートに優れます。硬めのしっかりした寝心地を好む方や、筋力の落ちてきた中高年の方で寝返りが減り気味な場合に適しています。反面、硬さゆえに体重の軽い方には圧が分散しきれず痛みを感じることもあるので、その場合は上に薄めの低反発マットレスを重ねるなど調整してもよいでしょう。

特殊素材マットレス: 上記以外にも、ファイバー（繊維）素材を使ったもの（例：エアウィーヴ）、ラテックスフォーム（ゴム素材）のもの、ジェル素材を用いたものなど様々です。それぞれ一長一短なので、自分の優先したいポイント（例えば通気性重視、清潔さ重視、軽さ重視など）に合わせて検討しましょう。

5. 信頼できるメーカー・エビデンス：根拠や保証も確認

最後に、実績あるメーカーかどうか、科学的根拠や保証内容もチェックしましょう。寝具は直接体に影響を与えるものですから、信頼性は重要です。

医師・研究機関との協力: 最近では睡眠研究に力を入れているメーカーも多く、大学や医学博士との共同研究結果を公表している例もあります。このように科学的検証を重ねているメーカーは安心感があります。

保証期間: マットレスは決して安い買い物ではありませんので、長期保証が付いていると安心です。長く使うほどへたり具合が腰痛に影響しますから、耐久性や保証は腰への優しさにも繋がるポイントです。

参考リンク

寝具と睡眠 - J-Stage

腰痛に悩む人におすすめのマットレス5選

それでは、腰痛持ちの方に評判の良いおすすめマットレスを厳選して5つご紹介します。

Sealy「クラウンジュエル」

雲に包まれたようなフィット感を求めるなら、シーリーの最上位「クラウンジュエル」シリーズがおすすめです。独自のポスチャーテック®コイルは、寝た瞬間はふわっと優しく受け止め、腰やお尻の重みが掛かると途端に力強く反発して姿勢を安定させてくれます。真ん中に腰専用の“センターサポート”が入っているので、体格の大きい方でも沈み込みすぎず安心。寝返りするときはコイルがスッと背中を押し戻してくれるので、朝までグッスリ派にもピッタリです。冷却ジェル入りのピロートップが熱を逃がしてくれるから、暑がりさんでも夏を快適に乗り切れますよ。

Simmons「ビューティレストプレミアムエクストラハード」

「硬めが好きだけど板の上はイヤ」という欲張りさんにはシモンズのエクストラハード。高炭素鋼のポケットコイルをたっぷり使い、どっしりハードな寝心地を実現しながら、肩や腰のラインにはきちんと寄り添います。寝返りのたびにコイルが背中を軽く押してくれる感覚があり、朝まで血行が滞りにくいのがうれしいポイント。ホテルで味わった“あのパリッとした寝心地”を自宅で再現したい人に、まず試してほしい一枚です。

Simmons「ビューティレストプレミアムエクストラハード」

Serta「iComfort Hybrid ECO」

柔らかく包まれつつも、腰だけはガッチリ支えてほしい…そんな願いを叶えるのがサータのハイブリッドモデル。上層のメモリーフォームがじんわり体の凹凸に沿い、下層の５ゾーンコイルが必要な場所だけ反発力をアップ。寝姿勢を崩さず、寝返りもラクラクです。生地には植物由来のひんやり素材を織り込んでいるので、夏は蒸れにくく、冬はフォームが硬くなりにくいのも◎。環境配慮モデルでエコ志向さんにも人気ですよ。

FranceBed「ライフトリートメントプレミアム」

国産マットレスの王道、フランスベッドのライフトリートメントは“面で支える”タイプ。高密度連続スプリングが体をすくい上げるように支え、中心には通気性バツグンのブレスエアー®をサンド。寝汗をかきやすい人でもムレ感なく使えます。さらに側面にはプロウォール®が入っていて、ベッドの端に腰掛けてもヘタリにくいのが嬉しいところ。ベッド周りで子どもを抱き上げる動作が多いパパ・ママにも好評です。

日本ベッド「シルキーポケットレギュラー」

「柔らかめなのに腰がラク」と口コミで評判なのがシルキーポケット。約1,200個の極細コイルが体をつま先から肩までスルスルっと受け止め、どこにも段差を感じさせません。細身の方でも腰が浮きすぎず、横向き寝でも肩がじんわり沈むので肩こり対策にも◎。表布にウール混キルトを使っているため、湿気を吸って朝には放出。毎晩の睡眠タイムがちょっとリッチになります。

昭和西川「Muatsu スリープスパハード」

畳に布団派からの乗り換えなら、凹凸ウレタンの老舗・ムアツがイチオシです。約2,000個の凹凸が“点で支え、点で逃がす”から、仰向けに長時間寝ても血流が滞りにくい構造。しかも三つ折りできて収納もラクラク、フローリング直置き派やワンルーム住まいの方にとくに人気です。カバーはファスナー付きで丸洗いOK。週末に立てかけて風を通すだけで、いつでもサラッと快適ですよ。